選定理由 |
過去現在を通じて標本の採集例が少なく、近年の確認情報もない。村田:近畿地方植物誌37(1996)29頁に宇川村、久美浜町の2ヶ所が記録されているのみである。 |
形態 |
海岸近くの湿地などにはえる多年草。長い地下茎がある。茎は高さ20〜100cm、3稜形、時に基部は肥大して径0.8〜30mmの塊茎となる。葉は茎の下部に数個。葉身は扁平で幅2〜5mm、上方のものは茎より長い。小穂は密集して1〜6個の頭状となり、卵形で長さ8〜15mm、幅6〜8mm、赤褐色で光沢がある。果実は倒卵形、長さ3.5〜4mm、多くは凸レンズ状、柱頭2個。刺針状花被片は2〜4本で果実の半長。黄褐色−褐色に熟し光沢がある。
◎近似種との区別
ウキヤガラの果実は3稜形で柱頭は3個。花序の柄は長く散房状。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:No.351,日本の野生植物I:178頁 |
分布 |
北海道、本州、四国、九州、琉球。朝鮮半島、ユーラシア大陸全般。
◎府内の分布区域
北部地域(丹後地域)。 |
生存に関する脅威 |
湿地の開発、海岸の開発。道路の新設。 |
必要な保全対策 |
湿地や海岸の開発などに先立つ詳細な生物調査が必要である。
◎特記事項
S. maritimus (L.) Pallaに含めるという意見もある。 |