選定理由 |
産地が限られ個体数も少ない。過去の標本採集例も少ない。 |
形態 |
日当たりのよい湿地や溜池の畔などにはえる多年草。ややまばらに叢生する。茎は硬く鈍3稜形、高さ80〜120cm。葉は線形、幅3〜4mm。散房花序は5〜6個、頂生の花序は1回分岐し3〜6個の枝に小穂集団をつくり球状となる。側生の花序は1−2個の小穂集団を作り球状となる。葉状の苞は花序より長い。小穂は楕円形で長さ4〜5mm。鱗片は卵状三角形、長さ3mm、幅1〜1.2mm。果実は狭倒卵形、長さ1mm、淡褐色。刺針状花被片は6個。
◎近似種との区別
マツカサススキは全体より大きく、茎は1.5mくらい。小穂の鱗片は狭く狭卵形で幅0.7mm。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:No.355,日本の野生植物I:17頁 |
分布 |
本州、四国、九州。
◎府内の分布区域
北部地域、中部地域、南部地域(京都市・乙訓地域)。 |
生存に関する脅威 |
湿地の開発。溜池の埋立てや改修。河川の改修、河川敷の公園化など。 |
必要な保全対策 |
湿地開発、溜池の埋め立てや改修、河川の改修や河川敷の公園化などに先立つ詳細な生物調査が必要である。経済優先の開発が湿地に棲息する動植物を絶滅へ追い込んだ例は多い。安易な開発がこれ以上許されるほど、自然は寛容でも強靭でもない。行政の強い指導を望む。 |
その他 |
日本固有種 |