選定理由 |
かつてはかなり広域に自生していたものが、近年標本の採集や確認の情報は極めて少ない。 |
形態 |
丘陵や山間の湿地に叢生する軟弱な多年草。茎は高さ20〜50cm、鋭3稜形でざらつく。葉は幅2〜4mm。小穂は頂生し1個、長さ1.5〜4cmの柱状、雌雄性で上部が雄性。雌花鱗片は卵形で淡色、中肋は緑色。果胞は鱗片より2倍長で5〜6mm、卵形、淡緑色、上部は次第に長い嘴となる。果胞は熟しても開出しない。
◎近似種との区別
ハリガネスゲ、マツバスゲ類と外見がやや似ているが、この2者はシラコスゲのように軟弱ではなく、果胞は果時開出する。
◎参照 日本スゲ属植物図譜2:220頁,原色日本植物図鑑草本III:No.508,日本の野生植物I:153頁 |
分布 |
北海道、本州、四国、九州、千島。
◎府内の分布区域
中部地域、南部地域(京都市・乙訓地域)。 |
生存に関する脅威 |
湿地開発。林道の拡幅や新設。 |
必要な保全対策 |
湿地の開発・林道の拡幅や新設に先立つ詳細な生物調査が必要である。スゲの仲間は目立つ花もつけず、希少種と気づかれぬまま開発の犠牲となる事が多い。 |