選定理由 |
産地が限定され、個体数も少ない。京都府内では与謝郡加悦町の山間の放棄湿田が唯一の産地である。 |
形態 |
大型の多年草。低山の湿地や水辺にはえ長い地下茎から稈を単生し直立。稈は高さ90〜180cm、基部の径は3.5〜10mmに達する。葉身は両面ざらつき長さ10〜40cm、幅3.5〜14mm。葉鞘は節間より長く円筒状、無毛だが小刺状の突起がありざらつく。円錐花序は大きく長さ15〜30cm、点頭する。小穂は細い柄があり長さ6〜8mm。苞穎は不同長、各1.5〜2mm。護穎は長さ4mm、脈は突出する。花期には花序がススキ状に点頭する。
◎近似種との区別
マンゴクドジョウツナギが似ているが、葉鞘はざらつかず、護穎の長さ2.5〜3.3mm
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:No.604,日本の野生植物I:110頁,日本イネ科植物図譜:216頁,改訂・近畿地方の保護上重要な植物:No.3201 |
分布 |
北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸(北部)、ウスリ−、サハリン(樺太)。
◎府内の分布区域
北部地域(丹後地域)。 |
生存に関する脅威 |
湿地開発。林道の拡幅や新設。 |
必要な保全対策 |
概ねイネ科植物は雑草との認識が一般的であり、希少種と気づかれぬまま諸開発の犠牲となりやすい。開発に先立つ詳細な生物調査が必要である。 |