選定理由 |
ギボウシ属の中で、日当たりのよい湿地性の種類であるため生育地が限られ、府内ではわずかしか見られず、現状では絶滅のおそれが高い。 |
形態 |
低湿地にはえる多年草。葉は線形で直立し、長さは15〜30cm、幅2cm内外、表面は光沢がある。裏面も平滑で全縁、無毛。花期は8〜9月。花は花茎上部にまばらに横向きに咲き、細い筒状で長さ4cm内外、淡紫色で内側に濃紫色の脈があり透明線は長い。花の基部に舟形の苞がある。
◎近似種との区別
葉は日本のギボウシ属の中で最も細く、本種はコバギボウシに比べて、より湿ったところを好み、開花期も異なる。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:No.233,日本の野生植物I:33頁,改訂近畿地方の保護上重要な植物:No.3263,近畿地方植物誌(32):No.1357,京都府草木誌:109頁 |
分布 |
本州(愛知県以西)、四国、九州。
◎府内の分布区域
中部地域(?)、南部地域(山城中部地域)。 |
生存に関する脅威 |
湿地開発、土地造成、植生の遷移が減少の主要因である。湿地の乾燥、陸地化によって消滅する。 |
必要な保全対策 |
湿地の管理維持、護岸工事などの際には配慮を要する。 |
その他 |
日本固有種 |