選定理由 |
産地が限られ個体数も少ない。近年採集や生存確認の情報はない。 |
形態 |
湿地にやや稀にはえる小形の1年草。全体軟弱で茎は高さ10〜20cm、無毛。葉は長さ7〜13cm、幅2mm内外、無毛、すべて茎上生で葉鞘に翼はない。花序は1茎に2〜3個、頂生及び腋生、長さ1〜1.5cm、分花序の柄は湾曲する。果実は球形、径1.5〜2mm、灰白色、不完全な格子紋と光沢がある。
◎近似種との区別
基本種ケシンジュガヤの無毛品で、formaの段階でも区別する説としない説とがある。
◎参照 日本の野生植物I:169頁 |
分布 |
本州(関東地方南部以西)、四国、九州、朝鮮半島(南部)。
◎府内の分布区域
北部地域中丹地域、中部地域。 |
生存に関する脅威 |
湿地開発、圃場整備、溜池の改修、農薬の使用。 |
必要な保全対策 |
本種はこの属のなかでは小形で目立たず、軟弱であるため、希少種と気づかれぬまま開発の犠牲となりやすい。湿地開発や圃場整備、溜池の改修に先立つ詳細な生物調査が必要であり、その結果を見て諸開発の適否を判断すべきである。 |