選定理由 |
かつては各地の湿地にやや普通であったが、近年激減し確認情報は殆どない。 |
形態 |
平地や丘陵地の湿地にはえる多年草。茎は細く径0.5mm、高さ10〜40cm。小穂は楕円形で長さ4〜5mm。1〜3個集まって小さな散房花序をなす。小穂は1花。果実は広卵形、長さ1.5〜2mm。刺針状花被片は6個で下向きにざらつき、果実より少し長い。柱頭2。
◎近似種との区別
この属のものは外見が皆似ており、同定には詳細な検討を要する。すなわち、植物体の大きさ、形状。小穂の形、色。果実の形態、色。花被片の形状などの詳細な検討がなされねばならない。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:No.429,日本の野生植物I:170頁 |
分布 |
北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島。
◎府内の分布区域
北部地域(中丹地域)、南部地域(相楽地域)。 |
生存に関する脅威 |
湿地開発。圃場整備。 |
必要な保全対策 |
希少種と気づかれぬうちに絶滅へと追い込まれる事態が多い。諸開発に先立つ詳細な生物調査が必要であり、その結果を見て開発の適否を判断しなければならない。湿地内の生物の多様性を認識し、それを行政に生かすべきである。 |