選定理由 |
産地限定、近年の採集や確認などの情報はない。稀産・野間(竹内,1962)とあるのが唯一の記録である。 |
形態 |
北地また高山の草地や林下にはえる多年草。稈は叢生、高さ10〜50cm。雌小穂は小さく長さ5〜7mm、幅2mm。雌花鱗片は暗赤紫色。果胞は倒卵形、長さ2.5〜3.5mm。
◎近似種との区別
北地や高山帯に生えるヌイオスゲがよく似る。ヒメスゲの基部の鞘は少し糸網を生ずるがヌイオスゲは糸網を生じない。ヒメスゲに近似種のものは京都府内にはない。
◎参照 日本スゲ属植物図譜II:182頁,原色日本植物図鑑草本III:No.463,日本の野生植物I:156頁,京都府草木誌:103頁 |
分布 |
北海道、本州、四国、九州。サハリン(樺太)、千島、台湾。北地や高山に多い。
◎府内の分布区域
北部地域(丹後地域)。府内では本来の希少種で、最終氷期の遺存種と考えられる。 |
生存に関する脅威 |
林道の新設や拡幅、草地や林地の管理放棄も主要因と考えられる。本種をはじめスゲ属植物は希少種と気づかれぬまま開発の犠牲となりやすい。 |
必要な保全対策 |
林道の新設や拡幅に先立つ詳細な生物調査が必要である。里山管理。 |