選定理由 |
林下にはえる多年草。府内中部地域、主に北部地域で採集された記録があるが、広域に生育する種ではない。近年、採集または確認の情報は極めて少ない。 |
形態 |
少数の細い稈を束生。稈は長さ40〜70cm。葉は長さ4〜10cm、葉面や縁には軟毛がある。花序は円錐花序、しばしば枝を分けず、したがって小穂は軸につき、総状花序となることもある。小穂は長さ8〜10mm、1小花からなる。苞穎2個は不同長、それぞれ1.5〜2.5mmくらい。護穎の先は長さ1〜1.5cmに達する細い芒がある。内穎には長さ5〜8mmに達する中軸突起がある。
◎近似種との区別
日本では、この属はコウヤザサ1種からなり、他に似たものはない。
◎参照 日本イネ科植物図譜:92頁,日本の野生植物I:115頁,原色日本植物図鑑草本III:No.574 |
分布 |
本州(中部、西部)、四国、九州、朝鮮半島(南部)、中国大陸(中部)。
◎府内の分布区域
北部地域(中丹地域)。 |
生存に関する脅威 |
林道新設および拡幅。山地の管理放棄による遷移進行。 |
必要な保全対策 |
稀少種と気づかぬまま絶滅へと追込まれることが懸念される。林道の新設及び拡幅、山の家などの施設設置に先立つ詳細な生物調査が必要である。 |