選定理由 |
熱帯域に分布の中心を持つヒナノシャクジョウ科の中では最も北まで分布する種で、小型のため発見されにくい。府内では南部地域にわずかに採集記録があるのみで、現状では絶滅の恐れが高い。 |
形態 |
林下の落葉の中にはえる多年生の腐生植物。茎は直立し高さ3〜8cm、白色でまばらに鱗片葉があり、地下茎は球状にふくらむ。花期は8〜10月。花は白色で柄がなく、やや頭状に集まる。外花被片は筒状に合着し、長さ6〜10mm、翼がなく裂片は3角形。内花被片はへら形で小さい。果実は倒卵円形。
◎近似種との区別
花に小柄がなく、数個が頭状に集まり、花筒部に翼がないのが本種の特徴である。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:No.128,日本の野生植物I:63頁 |
分布 |
本州(関東地方以西)、四国、九州、琉球、中国大陸(南部)、マレーシア、インド、セイロン。
◎府内の分布区域
南部地域(山城中部地域)。 |
生存に関する脅威 |
森林の伐採、土地造成などが減少の主要因である。 |
必要な保全対策 |
森林の開発や管理に伴う下草の伐採の際には注意を要する。 |