選定理由 |
絶滅に瀕している日本特産の稀産種で、本州に点々と記録されている。府内では1931年以来情報がなく、絶滅が危惧され、すでに絶滅した可能性もある。 |
形態 |
原野にはえる多年草。根出葉は長さ30cm内外で線形、晩秋に出て冬を越し、夏に枯れ、その後に花茎が出る。花茎は高さ15〜30cm、数個の花が散形状につく。花期は9〜10月。花被片は白色、線状披針形で長さ7〜8mm、下部が合着して上部が開出する。果は扁円形で長さ約4mm。
◎近似種との区別
ネギ属に似ているが、本種では全く臭気がなく、茎は扁平。花被片は中部以下が合着するのが特徴である。
◎参照 日本の野生植物I:37頁,原色日本植物図鑑草本III:217頁 |
分布 |
本州(宮城県から広島県まで、現在15都府県)。
◎府内の分布区域
南部地域(京都市)。 |
生存に関する脅威 |
土地造成、道路工事、植生の遷移などが減少の主要因である。 |
必要な保全対策 |
自生地が里山の原野であるため、生育環境を維持するには困難を伴う。 |