選定理由 |
全国的にも産地が急減している。府内でも池沼の埋め立てと水質の悪化で消滅する産地が相次ぎ、現在は限られた少数の場所にしか残っていない。 |
形態 |
直径1〜2mにおよぶ巨大な浮葉を形成する一年生の水生植物。植物体全体に鋭い棘がある。
◎参照 原色日本植物図鑑草本II:No.489,日本水草図鑑:109頁 |
分布 |
本州、四国、九州、アジア東部、インド
◎府内の分布区域
中部地域、南部地域。 |
生態的特性 |
ある程度富栄養化した水域に生育する植物であるが、アオコが発生するような過栄養状態になると急激に群落が衰退する。夏の一時期に開放花(水面上で開花)が見られるが、多数のつぼみは水面下にとどまり閉鎖花となる。種子生産は主に閉鎖花によって行われる。年によって群落の盛衰が著しい。種子の休眠期間が長いため(〜数十年)、いったん消滅した水域にも甦る可能性がある。 |
生存に関する脅威 |
水域の埋め立て、水質の悪化。 |
必要な保全対策 |
オニバスには地理的変異の存在が確認されている。オニバス群落の「復元」を目指す場合、安易な移植や他地域からの導入は避けるべきである。 |