選定理由 |
夏鳥として府内に生息して繁殖する。繁殖個体数は少なく、近年減少している。 |
形態 |
全長オス57cm、メス61cm。翼開長121〜135cm。トビより同大かやや小さい。飛翔時翼が幅広く、頭頸部が突出して見える。上面は暗褐色であるが、下面は淡色から暗色まで個体差が大きい。 |
分布 |
本州以北の低山帯に夏鳥として渡来し、繁殖するが、本州中部以北の方が個体数が多い。府内では少数が山間部で繁殖するほか、秋の渡りの時期に多数が通過する。
◎府内の分布区域
全域。 |
生態的特性 |
南方で越冬し、日本へは3月から渡来しはじめるが、渡来数が増加するのは4〜5月にかけてである。地中のクロスズメバチの巣を掘り起こして捕食するほか、他のハチの巣やカエルなどを捕食することも多い。巣は森林内のアカマツ、カラマツ、モミなどの高木につくられる。一腹2〜3卵を産み、雌雄で約30〜35日抱卵し、雛はふ化後35〜45日後に巣立つ。巣立ち後2週間ほどは親から給餌を受け、8月頃に独立する。 |
生息地の現状 |
府内では、丘陵地から低山帯の主としてアカマツのある森林で繁殖している。餌となるハチやカエルなどが豊富な、丘陵地から低山帯にかけての谷間にある水田が、営巣地となる森林とセットになっている環境の保全が重要と思われる。 |