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分類 | 河川地形 |
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細分 | 地すべり地形 |
地域 | 相楽郡笠置町大字切山 |
選定理由 | 地域において生活と密着した存在であるものやランドマークとして親しまれている地形。 |
概要 | 地中に形成されるすべり面を境に土塊が下方に移動する現象を地すべり、それによって形成される地形を地すべり地形と呼ぶ。地すべりは山崩れ(崩壊)と比べると、明瞭なすべり面を有し、土塊の移動に継続性があり、土塊の移動速度が比較的緩慢で、移動土塊が比較的原形をとどめるなどの特徴をもつ。 典型的な地すべり地形は、斜面上部に形成された馬蹄形状の急崖(滑落崖)と、その下方に形成される緩傾斜地(移動土塊)との組み合わせからなる。地すべり地では常に地すべり運動が起こっているわけではない。むしろ普段ほとんど変動が観測されない地すべり地が、何らかの要因(たとえば降水や融雪水の浸透、地震による震動、人為的地形改変など)によってその運動を活発化するような場合が多い。また、基盤地質の性状や地形・水文条件などと対応して、その運動様式にも地域性が認められる。たとえば、新第三系グリーンタフの分布する多雪地域では流動型地すべりが、南アルプスのような大起伏の堆積岩分布地域では大規模岩盤地すべりが発生しやすい。花崗岩類分布地域では、地すべりよりも斜面崩壊の卓越することが多い。 切山地すべり地は、木津川中流右岸に分布し、前述の地すべり地形の典型的特徴をよく備えている。基盤地質は、白亜紀領家花崗岩による接触変成を受けたホルンフェルス、変成チャートからなり(尾崎ほか 2000)、層理面の走行、傾斜から見て、流れ盤を利用した層すべりで、木津川断層の影響も考えられる。地形の保存状況は比較的良好ではあるが、地すべり地の開発が進んだ場合、地盤の支持条件や水利条件が変わり、地すべり運動が活発化する危険性がある。現況を過度に変更する大規模開発は災害を誘発する危険性もあるため、避けるべきである。 |
文献 尾崎ほか(2000)
執筆者 高田将志
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2.5万分の1 笠置山
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笠置町切山 地すべり地形
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