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分類 | 河川地形 |
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細分 | 先行谷 |
地域 | 京都市右京区、亀岡市 |
選定理由 | 京都府の自然を代表する典型的かつ貴重な地形。地域において生活と密着した存在であるものやランドマークとして親しまれている地形。 |
概要 | 亀岡盆地から京都盆地へ流れ下る保津川は、東西走向の丹波層群中を著しい蛇行流路をなして深い峡谷を形成している。これは先行谷の地形であり、河川流路が決定された後に流路を横切って土地が隆起し、もとの流路を維持したまま下方侵食を行ってこれを横断して形成されたものである。すなわち、緩い勾配時の自由蛇行流路がそのまま維持され、下方侵食を続けてきたものといえる。これは亀岡・京都両盆地間の山地域が隆起してきたこと、その速度は保津川の侵食速度を上回るほどではなかったことを示す。しかし、亀岡盆地では排水不良による逆流が氾濫して、頻繁に水害を発生させてきた。上流の保津で標高約80m、下流の渡月橋では約30m、この間約6.8パーミルの勾配をもつ。谷長11.5km、直線長7.3km、谷比長は1.57である。 保津峡は深いV字谷を刻んで急流が流れ下っており、その渓谷美には定評がある。また、岩礁、奇岩に富み、保津川下りのルートとして重要な観光資源となっている。旧山陰本線鉄路は嵯峨野観光鉄道としてトロッコ列車が運行されている。しかし、新保津峡駅の建設などによって付近の自然景観が著しく改変されてしまった。 |
関連法令 | 京都府自然公園条例(府立保津峡自然公園) |
文献 井本ほか(1989)
執筆者 植村善博
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