トップページ > 地形・地質・自然現象 > 地形 > 玉水・井手の河岸段丘
分類 | 河川地形 |
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細分 | 河岸段丘 |
地域 | 綴喜郡井手町大字井手 |
選定理由 | 多数存在するが典型的な形態を示し、保存が望ましい地形。地域において生活と密着した存在であるものやランドマークとして親しまれている地形。 |
概要 | 河川の下刻作用により形成された階段状の地形で、平坦面が現氾濫原よりも高い位置にあるものを河岸段丘と呼ぶ。河岸段丘は、平坦面部分に当たる段丘面と、前面の崖部分に当たる段丘崖から構成される。 山城盆地の木津川両岸には、多数の河岸段丘が分布する。なかでも木津川右岸(東側)から流入する支流沿いで、その発達が著しい。山城盆地に分布する河岸段丘面は、その分布高度や連続性、段丘堆積物の性状などから上位面、中位面、下位I面、下位II面に分類されている(池田、植村 1980)。上位段丘堆積物には2.5YR~5YR、中位段丘堆積物には5YR~7.5YR程度の赤色化した土壌が認められる場合が多い(池田、植村 1980、尾崎ほか 2000)。しかし、詳しい対比・分類や段丘面の形成年代には、未解明の部分も少なくない。井手町玉水付近の河岸段丘には、前述した上位~下位II面までの一連の段丘面が、まとまって分布している。これらの段丘面のほとんどは、木津川右岸から流入する玉川のつくった扇状地が段丘化した開析扇状地である。井手付近の段丘堆積物は、主として花崗岩・片麻岩やチャート・砂岩・粘板岩などの巨~大礫からなり、層厚は数m程度のことが多い。本地区の河岸段丘は典型的で、保存状況も比較的よい。したがって、地域における教育面で重要な地形と考えられ、今後もその保存が望まれる。また、急傾斜の段丘崖付近では、崖くずれの危険性もあるため、現状のように、極力、樹林地として保全し、宅地等を近接させない様な配慮が望まれる。 |
執筆者 高田将志
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