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分類 | 変動地形 |
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細分 | 低断層崖 |
地域 | 京都市山科区大宅、伏見区醍醐 |
選定理由 | 教育上、地形研究上注目すべき地形。多数存在するが典型的な形態を示し、保存が望ましい地形。 |
概要 | 山科盆地と醍醐山地との境界に沿い、南北走向の黄蘗断層が走り、比高200~400mの急峻な断層崖を形成している。これに沿っては新期の変位地形は発達していない。一方、小野付近にはこの線より約500m西の低地側に段丘面を切る明瞭な活断層が認められる。 ここでは南北走向で平行する2本の低断層崖が形成されている。高位(H)段丘は変形して膨隆丘をなし、東上がりの変位量は20m及び18mに達する。これは逆断層に特有のバルジ地形といえよう。低位(L)2面も東上がり4m及び6mの変位を受けている。これらを合わせた総変位量は高位面で38mと低位面の約4倍に達し、変位の累積が明瞭である。また、平均変位速度はH面で0.13m/千年、L2面で0.57m/千年であり、近年に加速化している可能性を示す。本地点は、低地側に分岐した新期の逆断層とそれによる特徴的な新期変位地形が明瞭に発達している点で貴重である。一部は土地開発により破壊されている。 |
文献 吉岡(1987)
執筆者 植村善博
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