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分類 | 河川地形 |
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細分 | 洪積丘陵 |
地域 | 城陽市、宇治市 |
選定理由 | 教育上、地形研究上注目すべき地形。地域において生活と密着した存在であるものやランドマークとして親しまれている地形。 |
概要 | 一般に丘陵は、山地と低地や台地の中間的な地形的特徴を持つ。すなわち、平均標高は周辺の山地よりは低いが低地・台地よりも高く、地形の起伏は前者よりも小さく、後者よりも大きい。丘陵は段丘面のような平坦な地形原面を有しない。しかし、山地に見られる侵食小起伏面と比べると、著しい定高性を示す背面を有することが多い。これは、丘陵が、前中期更新統の堆積原面に近い構造を残していることに由来する。 宇治丘陵は、鮮新~更新統の大阪層群からなる丘陵である。宇治丘陵の大阪層群は、主として礫、砂、シルト層からなり、10層以上の火山灰層を挟む。層厚230m以上で、最下部から青谷礫層、城陽A礫層、城陽B礫層、宇治礫層に区分されており、城陽A礫層中には鮮新―更新統境界直上付近に降下堆積した福田火山灰(約160万年前)が、宇治礫層中には約100万年前に降下堆積したピンク火山灰層が堆積している(市原編 1993)。丘陵の盆地側には段丘化した何段かの開析扇状地が分布しており、このような台地の侵食と同様の現象が進むことで丘陵が出現したと予想される。 本地域では昭和40年代以降、土木建設資材としての山砂利採取が急激に進み、地形の人工改変と破壊が極めて著しい。宇治丘陵は、かつては、いわゆる里山的自然を広く残す土地であったが、今やその自然は希少価値となりつつある。一方で、盛土地や土砂採取跡地では崖崩れの危険性が高い。また、数十mもの深さをもつ超軟弱地盤を形成している放棄された沈殿池が地雷原のように点在している。したがって、本丘陵における自然環境の保全とその土地利用には、十分な配慮を払う必要がある。 |
執筆者 高田将志
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