トップページ > 地形・地質・自然現象 > 地形 > 由良川自然堤防
分類 | 河川地形 |
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細分 | 自然堤防 |
地域 | 福知山市大江町有路地区~舞鶴市桑飼地区 |
選定理由 | 教育上、地形研究上注目すべき地形。 |
概要 | 由良川中・下流には流路の滑走斜面側に自然堤防が見事に発達している。この地域の自然堤防は長く、また幅は100~200mと狭い。かつて、由良川沿いには、洪水被害を防ぐ目的で桑が植えられ、地場産業として養蚕業が盛んであったが、衰退してしまった。現在残っている桑畑が往時の様子を忍ばせてくれる。 自然堤防上からは桑飼下遺跡など縄文時代の集落跡が発掘され、当時の生活や古環境を知る貴重な遺物が出土している。現在は水田を中心とした農作物が栽培されている。 この辺りは谷幅の狭さと河床の緩勾配が、洪水時の大きな水位上昇をまねく。洪水被害を防ぐため、人々は盛土をし、また山際の小高い土地に家を建てて暮らしている。洪水時には、この自然堤防は濁流に浸かってしまうが、これは由良川の河床勾配が大変緩やかでかつ流量が多いこと、山が迫り流路幅が極めて狭いことが原因である。2004年台風23号では甚大な被害を受け、大規模堤防が建設中である。しかし、2013年9月の台風16号や2014年8月の豪雨で繰り返し大きな浸水被害を受け、堤防の早期完成が望まれている。堤防完成時には自然堤防上の景観が一変するものと思われる。 |
執筆者 塩見良三
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