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分類 | 河川地形 |
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細分 | 洪積台地 |
地域 | 福知山市字長田 |
選定理由 | 多数存在するが典型的な形態を示し、保存が望ましい地形。地域において生活と密着した存在であるものやランドマークとして親しまれている地形。 |
概要 | 福知山市東部に広がる長田野台地は、幅約4km、長さ約3km、高度約70m前後の広大な高位段丘面を発達させている。その構成層は厚さ約50mの砂礫主体の地層で、薄い粘土や泥炭をはさむ。中下部の泥炭層からはアオカズラなど亜熱帯性の植物群やヒメバラモミなど寒冷植物群が含まれ、世界的な気候変化を記録している点で注目される。 これらの台地は高位段丘面に対比される堆積性の段丘である。その堆積時代は第四紀中期の20~50万年前、離水期は16~18万年前頃と推定されている。これと同時期の段丘が以久田野(綾部市)や物部台地(綾部市)である。この時期、由良川は竹田川の流路を南流して加古川に合流、瀬戸内海に流れ込んでいた。その後、土地の沈降により湖沼が生じ、上天津付近で溢流して由良川下流へ流れ落ちていった。その結果、流路変更が生じ日本海に注ぐ現在の水系が完成したとされる(岡田、高橋1969)。 この台地は、戦前は陸軍の演習地に使われ、戦後は開拓地として入植が進み、開墾され主に畑作に利用されていた。現在、台地一帯は様相が一変し、一大内陸工業団地になった。また、台地東端には高速道路(若狭舞鶴自動車道)が作られ、北端は住宅地となった。 |
文献 岡田、高橋(1969)、植村(2001)、福知山市(1971)
執筆者 塩見良三
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