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分類 | 海岸地形 |
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細分 | 砂丘 |
地域 | 京丹後市久美浜町字箱石 |
選定理由 | 京都府の自然を代表する典型的かつ貴重な地形。 |
概要 | 砂丘地は小天橋砂州の先端の湊宮から東方の木津川河口付近まで、海岸沿いに東西約6km、幅約1km、面積約590haの規模で広がる府下最大の砂丘をなす。砂丘地の中では箱石集落南方の砂丘が最も規模が大きく、風成砂の厚さは、最も厚いところで20m以上に達する。この砂丘は、その形態より吹上砂丘と考えられ、西南西から東北東の方向に段丘上をはい上がり、その砂丘の表面には尾根の間隔が100~200mの波状の微地形が確認できる(山脇 2011)。 砂丘地は現在、クロマツやニセアカシア等の植林によりそのほとんどが固定されており、一部では人工的に地形が大きく改変されている。 砂丘の固定作業は江戸時代からはじめられていたが、本格的に固定作業が行われたのは1949年から1969年にかけて海岸砂地造林が行われたときである。砂丘地の中央には函石浜遺物包含地(国指定史跡)と呼ばれる弥生時代前期から鎌倉・室町時代にかけての遺物の出土する地域がある。王莽の貨泉が出土したこともあり、大陸との関係が推定されている。また、当時佐濃谷川はまっすぐに北流してこの遺跡付近で日本海に注いでいたともいわれる。 砂丘地形は、砂丘そのものが移動し、場合によっては集落をも埋没させてしまうため、古くから飛砂を防止するための堤防がつくられるなど、地形改変が行われてきた。最近では、浜詰南方の砂丘は土砂採取により、そのかなりの部分が消失している。植生があるため、一般に砂丘地と認識されにくい。また、土砂採取による地形破壊がさらに進む可能性もある。京都府最大の砂丘地であることから、保護される必要がある。 |
関連法令 | 自然公園法(山陰海岸国立公園) |
執筆者 山脇正資
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