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分類 | 河川地形 |
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細分 | 遊水池 |
地域 | 久世郡久御山町、宇治市 |
選定理由 | 京都府の自然を代表する典型的かつ貴重な地形。動植物の生育地として重要な地形。 |
概要 | 京都府南部のいわゆる三川合流地帯では、桂川、木津川、宇治川が収斂、合流し、淀川と名を変えて大阪平野に排水されている。しかし、下流への排出口には山崎地峡部が存在するため、排水不良の傾向が強くその上流側に広大な遊水池が形成されていた。それが周囲約16km、面積794haの巨椋池である。池は水深1m以下が9割を占める皿状の浅い池沼であった。水質は富栄養化しており、動植物の繁殖が活発であった。このため、コイ、フナ、モロコなどの魚類は43種、ヨシ、マコモ、ハス、ヒシなど水生植物は150種におよんだ。また、渡り鳥を含む多くの野鳥の宝庫となっている(京都地学教育研究会編 1988)。まさに、生物の宝庫であった。なお巨椋池の形成は意外に新しく縄文前期頃であり、山城湖の名残りではない。豊臣秀吉は水運、交通、治水のために巨椋池に流入していた宇治川を伏見に迂回させる土木工事を行った。これに象徴されるように、この地域は河道の付け替えや土木工事が頻繁に行われた。特に、1900年~1903年には淀川の大規模改修工事が行われ、旧宇治川や東一口からの巨椋池排水路は廃川となった。その結果、巨椋池の水質悪化が進んだといわれている(植村、上野 1999)。1933年~1941年の国営干拓工事により干陸化し、634haの水田となって池は姿を消した。また、干拓地は向島ニュータウンなどの住宅地としても利用されており、水害の危険性が心配される。 |
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