トップページ > 地形・地質・自然現象 > 地質 > 夜久野のビカリア
分類 | 化石 |
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細分 | 貝化石 |
時代区分 | 新生代新第三紀中新世 |
地域 | 福知山市夜久野町田谷 |
選定理由 | 中新世中期のマングローブに関連ある貝化石。 |
改訂の理由 | 舞鶴市が京都府下では唯一のビカリア産地であったが、福知山市夜久野町にも分布することが明らかになった。 |
分布 | 舞鶴市栃尾の舞鶴カントリークラブで現地性のVicarya-Geloina群集(中川、竹山 1985)が知られており、その附近の内浦層群下層から各地で産するものが、京都府下では唯一のビカリア産地であった。その時代の地層は丹後半島にもあるが、舞鶴市と夜久野町とに分布することが明らかになった。 |
特徴(特異性) | 夜久野町西北部には、兵庫県豊岡市出石町に連なる中新統、北但層群が分布する。この地層から1980年に吉井昌平らはビカリアその他の貝化石を採集して、夜久野町郷土資料館に収蔵、展示した(夜久野町史編集委員会編 2005)。ビカリアはGeloina(マングローブシジミ)とともに産する、絶滅属の巻貝である。1,650万年前頃には、青森県あたりまでマングローブ沼ができる暖かい海が北上した時期があった(糸魚川ほか 2003)。夜久野の田谷川上流のビカリアを産した地層は、その時期の堆積物と考えられる。 |
現状 | 田谷川上流の斜面の植生に覆われている。 |
特記事項 | ビカリアを産した場所を発掘調査して、貝化石群集を明らかにすることが望まれる。 |
執筆者 石田志朗
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