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分類 | 岩石 |
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細分 | 炭素質珪質頁岩 |
時代区分 | 中生代三畳紀 |
地域 | 京都市右京区京北細野町、芦見谷川支流(三ノ谷) |
選定理由 | 炭素質珪質頁岩は「ブラックバンド」とも呼ばれ、Ⅰ型地層群にしばしば見られる露頭であるが、炭素質珪質頁岩とチャートとの互層において非常に露頭条件がよくチャートとの漸移関係が確認できる。 |
改訂の理由 | 露頭の荒廃と周辺の開発が進んできているため。 |
分布 | 炭素質珪質頁岩は、京都府内のⅠ型地層群でP/T境界付近の三畳系層状チャートの下部に認められる。 |
特徴(特異性) | 炭素質珪質頁岩は三畳紀古世において特徴的に産出する。本露頭では、炭素質珪質頁岩と珪質頁岩が下部で互層をなし、三畳紀層状チャートへと漸移していくとともに、中部層準のチャート部分は赤色から黒色のジャスパーが挟在され、チャートからはEpigondolella abneptis、さらに最上部岩ではジュラ紀の放散虫化石を産出する。このような連続露頭は丹波帯では珍しく、三畳紀のマンガン鉱床や炭質物と海洋底の堆積環境の変化(海洋無酸素事変の変化)を知る上で貴重な露頭である。 |
現状 | 1980年代初頭に林道が開通したことで見いだされた露頭で、地質関係学会の巡検でしばしば利用されている。しかし、林道は荒れ果てており、30年の間に露頭付近の地形は変わり、露頭を見いだすのが困難になりつつある。 |
保存に対する脅威 | 分布が限られているために、林道拡幅や開発による喪失が懸念される。 |
必要な保存対策 | 炭素質珪質頁岩の分布状態を調査、現状を維持する必要がある。 |
執筆者 楠利夫
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