トップページ > 地形・地質・自然現象 > 地質 > 高槻層砂岩
分類 | 岩石 |
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細分 | 堆積岩 |
時代区分 | 古生代 |
地域 | 亀岡市西別院町大槻並 |
選定理由 | 高槻層の主たる分布域は大阪府豊能郡能勢町から箕面市、高槻市、三島郡島本町にわたる地域である。超丹波帯高槻層は、丹波帯Ⅲ型地層群の上に重なるナップをなし、多重構造の形成を考える上で重要である。 |
改訂の理由 | 2005年の地質図幅調査で新たに発見された。京都府内の高槻層の分布は、この付近に限られる。 |
分布 | 大阪府高槻市に多く分布する。 |
特徴(特異性) | 京都府には亀岡市東別院町南掛に分布するのみである。本層は坂口(1958)によって定義され、宮地ほか(2005)や楠ほか(2011、2013)によって現地性緑色岩を含むペルム系と再定義された。砂岩は暗灰色の細粒から中粒の成層砂岩を主体とし、暗灰色の泥岩が挟在される。本層は、砂岩の年代、化学組成、鉱物組成から超丹波帯淵垣層に対比され(楠、武蔵野 1991、武蔵野 1996)、砂岩組成区(楠 2012)からは舞鶴層群上部ペルム系の共通後背地─同時堆積系統の淵垣層砂岩(木村 1988)とされている。舞鶴層群が「背孤海盆の堆積物」と指摘(八尾 2007)されていることから、高槻層砂岩も同様の島孤、背孤海盆に堆積した砂岩と考えられている(楠、丹波地帯研究グループ 2013)。超丹波帯高槻層はトリアス系丹波帯Ⅲ型地層群の上位にナップとして重なり、これら多重構造を考える上で重要といえる。 |
現状 | 高槻層の主たる分布域の高槻市や島本町では、採石として利用されているが、東別院町別院中学付近の高槻層は採石するほどの量は産出せず、道路の切り割りで露頭で見られる程度である。 |
保存に対する脅威 | 京都府内の高槻層は層厚が薄く、限られた地域に分布するため大規模開発による消失が懸念される。 |
必要な保存対策 | 現在の状態で十分観察可能で、崩壊などの可能性も少ないことから現状保存が望まれる。 |
執筆者 楠利夫
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