トップページ > 地形・地質・自然現象 > 地質 > 加久藤火山灰層
分類 | 堆積物 |
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時代区分 | 新生代第四紀更新世 |
地域 | 福知山市大江町南有路 |
選定理由 | 由良川下流域の「大江層」の堆積年代の推定に重要である。 |
改訂の理由 | 最近の調査で対比が確認された露頭である。 |
分布 | 九州から中部地方の長野・山梨県境付近まで分布している。京都府内では久美浜のボーリングコア中に見出されている(加藤、小滝 2010)。 |
特徴(特異性) | 加久藤火山灰層(Kkt)はおよそ330ka(町田、新井 2003)のMIS9に霧島火山北部の加久藤カルデラから噴出したガラス質の火山灰層である。近畿地方では、神戸市東灘区のボーリングコア中のK1-171と琵琶湖高島沖ボーリングコア中のBT70がKktに対比されている。福知山市大江町南有路の有仁小学校の校庭では、緩やかな斜面上にKktが露出している。粘土化は進んでいるが、火山ガラスはよく残っている。本層は岡田・高橋(1969)が大江層と命名した未固結の亜角~亜円礫層中に狭在している。この礫層の礫種構成を見ると、現在の由良川河床礫では30パーセント以上を占めるチャートの円礫が見られない。大江中学校付近から南有路までのほかの大江層の露頭で見ても、同様でチャートの円礫が見られない。また、現河床礫には見られる大江山連峰の超苦鉄質岩の礫も大江層中には見られない。このことから、Kktの降灰当時、この地域は現在の由良川および宮川の流域ではなかったことがわかる。 |
現状 | 露頭一帯は子どもたちの遊び場になっていて、緩斜面であるので積雪時はスキー遊びの場になる。 |
保存に対する脅威 | 校舎改築等で校地の利用が変わると破壊される可能性がある。 |
必要な保存対策 | 露頭の意義を説明した看板は設置されているが、さらに広くその重要性を普及する必要がある。 |
執筆者 小滝篤夫
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