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分類 | 岩石 |
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細分 | 火成岩 |
時代区分 | 古生代石炭紀 |
地域 | 京都市右京区京北芹生町 |
選定理由 | 極めて明瞭な枕状構造を示す岩体であり、道路等の拡幅による破壊を防止する必要がある。 |
分布 | 国内の各地にあるが断面の状態が明瞭で発泡形態までわかり、ペルム紀と年代を特定できるものは少ない。 |
特徴(特異性) | 枕状溶岩は次のようにしてできる。まず、海底で高温の溶岩が海水に触れて急冷される。そして、急冷された部分には筒状の薄い殻ができる。しかし、内部はまだ溶けたままであるため、次々と溶岩が流れ出ると、押されて殻が破れ、再び海水と触れて殻ができる。こうした出来事が続くことによって形成される。従って枕状溶岩の存在は、その形成の場が水底であったことを示す証拠となる。 本枕状溶岩は、京都東北部地質図幅(木村ほか 1998)によると、Ⅱ型地層群の灰谷コンプレックスの緑色岩類に含まれる。緑色岩類は玄武岩質の塊状溶岩、枕状溶岩、溶岩角礫岩、ハイアロクラスタイトからなっている。鞍馬山周辺から芹生~芹生峠付近はとくに塊状および枕状溶岩が主でハイアロクラスタイトは少ない。芹生集落付近、鞍馬山には典型的な枕状溶岩が発達する。枕状団塊は、径30~50cmで顕著な発泡が認められる。Hashimoto et al.(1970)による化学分析結果から、鞍馬や貴船付近の緑色岩はアルカリ玄武岩とされている。さらに近年、Koizumi・ Ishiwatari(2006)は西南日本内帯の美濃・丹波帯付加体中の石灰岩をともなう大規模な緑色岩体が海台起源であることを化学分析によって明らかにし、大規模海台の付加の重要性を指摘した。 |
現状 | 南に貴船、鞍馬といった観光地を臨み、芹生付近を抜ける道には美しい北山杉の木立が立ち並び、洛北の静かな山里といった感じがピッタリの風情である。約10年に一度訪れるくらいであるが、ほとんど変わっていない状態である。しかし、風化は着々と進行しており、枕状溶岩の露頭そのものが崩れそうな感じがする。 |
必要な保存対策 | 約25年前に撮影した写真とアングルを同じにして比較してみても、ほとんど変わっていない状態である。気になるのは、多少ハンマーでたたいた跡があり欠けていることである。緑色岩の枕状構造自体はそんなに珍しいものではないが、誰にでもその形状や構造が理解できるものは珍しく貴重なものである。 |
執筆者 楠利夫
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