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分類 | 化石 |
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細分 | 陸上植物 |
時代区分 | 新生代第四紀更新世 |
地域 | 福知山市羽合 |
選定理由 | 近畿地方の第四紀更新世中後期で最も温暖な気候を示す。アデク層・アカガシ層に対比され、学術的に貴重。 |
分布 | 大阪層群の第9海成粘土層の分布は、丘陵では西宮、明石、枚方市香里ヶ丘で知られている。大阪湾域の地下には埋没している。京都府内の地表ではここのみ。 |
特徴(特異性) | 福知山市羽合集落の南で、福知山累層下部の最上位の粘土層から、Sabia japonica(アオカズラ)とZanthoxylum piperitum(サンショウ)の種子、Paliurus(ハマナツメ属)の実、Ehretia ovalifolia(チシャノキ)とStyrax japonica(エゴノキ)の内果皮、Wisteria(フジ属)の芽など、多数の植物化石が産した(福間、藤田 1986)。またこの粘土の花粉分析では、木本花粉19タクサ278個の中Cyclobalanopsis(アカガシ亜属)が135個で、50%に近い値を示す。現在の九州南部の気候を示すような温暖な時代は、日本の更新世中期以降では、西宮市上ヶ原と枚方市香里ヶ丘のアデク層、大阪湾地域と明石のアカガシ層で、これらは大阪層群のMa 9、すなわち酸素同位体期11にあたり、約42万年前である。ただし、アオカズラ化石は西宮市満池谷のラリックス層の直上(D層、Miki 1941)にも産している。 これは傾斜不整合の項で述べた、丹波山地の盆地形成が酸素同位体期12にはじまったことと矛盾せず、また亀岡北東の神吉盆地の研究(植村ほか、1999)は、これを裏づけるものといえよう。アオカズラ層中の火山灰層は、神吉盆地のボーリングコア下部のアカガシ花粉多産層中の火山灰層に対比でき、大山火山起源のcpmテフラである(Kotaki et al. 2011)。 |
現状 | 植生の繁茂によって地層の観察が困難である。 |
執筆者 石田志朗、小滝篤夫
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