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分類 | 堆積物 |
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細分 | 河湖成層 |
時代区分 | 新生代第四紀更新世 |
地域 | 福知山市 |
選定理由 | 近畿地方の山間盆地埋積層の顕著なもので、研究が進んでいるもの。 |
分布 | 丹波の山間盆地は同様の堆積物で埋積されていると考えられる。 |
特徴(特異性) | 福知山市の土師川西方、羽合の丘陵をつくる礫・砂・泥の層を福知山層と呼ぶ(福間、藤田 1986)。また、その東方の長田野の礫層優勢の堆積物や盆地周辺部の地層も福知山層に含まれる。厚さ約30mで、泥層に3層の火山灰薄層を挟み、植物化石により冷~暖~冷~暖の気候変化があった。下部の温暖気候を示す層がアオカズラ層である。 石田(1986)は夜久野玄武岩類噴出後の水坂層に対比したが、アオカズラ層の項で述べたように、それは酸素同位体期11にあたるので、福知山層の冷~暖~冷~暖の気候変化を示す層は酸素同位体期12~9に相当する可能性がある。これは中期更新世の断層ブロック運動による丹波山地の山間盆地の形成(藤田 1990)ならびにその年代(石田 2000)と整合性があるといえよう。ただし、前者はこれを高位段丘堆積物であるとし、栗本、牧本(1990)はこれを踏襲している。近年、小野市と加古川市付近の高位段丘は中期更新世を通じて、赤色泥、砂の薄層が多くの段をなすことが明らかにされた(田中 1989、2001)。福知山市では長田野地区東縁と南縁とに、赤色、白色のロースをなす砂、泥層という高位段丘特有の薄層がある(石田 1986)。岡田、高橋(1969)は、この時代の由良川は瀬戸内海へ流れていたことを示した。 |
現状 | 長田野地区は工業団地となり、露頭は僅かになった。 |
保存に対する脅威 | 羽合地区も開発が進みつつある。 |
執筆者 石田志朗
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