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分類 | 堆積物 |
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細分 | 湖成堆積物 |
時代区分 | 新生代第四紀更新世 |
地域 | 福知山市夜久野町 |
選定理由 | 夜久野玄武岩溶岩による堰止湖の堆積物で、学術的に貴重。 |
分布 | 比較的狭い範囲で、希少なものである。 |
特徴(特異性) | 上治(1925)は水坂湖水堆積物と呼び、粉川(1956)は水坂層と仮称した、厚さ約10mの砂・泥を主とした地層である。粉川(1956)は植物化石を研究し、洪積層(更新統)下部とした。田倉山団体研究グループ(1984a)は水坂層を水坂と大油子の玄武岩礫やスコリアを含まない湖沼成堆積物と再定義し、植物化石と花粉分析、珪藻分析などの結果から、古環境と年代とを考察した。しかしながら、水坂層に玄武岩礫やスコリアを含まないという確証はなく、水坂の水坂層中部に玄武岩礫を観察したという主張もあることから、水坂層を衣摺玄武岩溶岩による堰止湖の堆積物という考えもある(石田 1986)。 水坂層からはFagus hayataeの植物遺体が産する(粉川 1956)ことから、Fagus aff. hayatae をかなり多く産する福知山累層(福間、藤田 1986)と同じ時代のMIS11の堆積物とすると、丹波山地の盆地形成によって福知山累層、水坂層の堆積がはじまり、そこに上夜久野で谷埋め状に夜久野玄武岩が噴出して溶岩台地を形成したと考えられる。 |
現状 | 露頭では植生が繁茂し、観察が困難。植生の繁茂で露頭観察はほとんどできなくなった。 |
保存に対する脅威 | 崖を保護する工事が考えられる。 |
必要な保存対策 | なお衆知を集めた研究が必要である。 |
執筆者 小滝篤夫
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