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分類 | 堆積物 |
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細分 | 広域テフラ |
時代区分 | 新生代第四紀更新世 |
地域 | 京都市伏見区醍醐 |
選定理由 | 九州起源の広域テフラの中、古い方に当たる阿蘇─1火山灰層が掘削で観察された。 |
分布 | 近畿、とくに大阪湾周辺や琵琶湖底などボーリングでは地下に埋もれていることがわかっている。 |
特徴(特異性) | 京都市伏見区醍醐西大路町の西部の高台に醍醐東団地がある。砂・粘土層に厚さ30cmの阿蘇─1火山灰層が挟まれていた。走向はN50゜Eで、60゜SEの傾斜である。火山ガラスの屈折率が大きく、阿蘇─4よりも阿蘇─1火山灰層(町田、新井 1992)という。また京都市営地下鉄烏丸線の調査ボーリングで見つかった(勧進橋付近で約30m深さ)阿蘇─4火山灰層(7万年前; 石田 1995)も阿蘇─4よりも火山ガラスの屈折率が大きく、阿蘇─1火山灰層(27万年前)という(藤原重彦氏の私信による)。阿蘇─1火山灰層の年代については、琵琶湖底堆積物の花粉層序(Miyoshi et al. 1999) と火山灰層序(横山 1986、吉川、井内 1991、1993)とに基づいて、それは酸素同位体期8にあたり、約27万年前の降灰と考えられる。ただしここの地層が、北方、中山団地の丘の大阪層群が丘陵東部で東に急傾斜する構造の南西延長のような構造をしていることから、断層ブロック運動後に堆積した大阪層群最上部層であるかという問題の検討は必要と考える。火山灰分析、年代測定、これを挟む地層の総合的研究が重要となる。 |
現状 | 住宅地になっている。 |
執筆者 石田志朗
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