トップページ > 地形・地質・自然現象 > 地質 > 溝谷層
分類 | 堆積物 |
---|---|
細分 | 河湖成層 |
時代区分 | 新生代第四紀更新世 |
地域 | 京丹後市弥栄町 |
選定理由 | 丘陵をつくっている更新統の、京都府の最も北部で知られている地層が開発で破壊されつつある。 |
改訂の理由 | 溝谷層の模式地は消滅してしまったので、新たに溝谷の北部の露頭を模式地に指定した。これらの露頭は特別な事情がなければなくならないし、誰でも自由に見ることができると思われるので、要注意とした。 |
分布 | 近畿、京都府内に多く分布する。 |
特徴(特異性) | 京丹後市弥栄町溝谷の約1km北東付近を模式地として、丘陵をつくる礫、砂、泥堆積物を溝谷層とよんだ(石田 1997、京都府農林水産部農村振興課 土地分類基本調査「宮津」)。溝谷層は土地分類基本調査の表層地質図「宮津」と「網野・冠島」に図示された。京都府レッドデータブック2002年版では、溝谷層の模式地の露頭AとBが、消滅寸前として記載されたが、現在はそれらは消滅してしまったといえる。 そこで、溝谷層が観察できる崖を新たに模式地にすることにした。上記「宮津」の54~58ページに、中位段丘と溝谷層の記載がある。57~58ページが溝谷層模式地の記載であるが、それが現在は見ることができなくなった。54~55ページに中位段丘a~d地点の露頭の記載があるが、それらを再検討したところ、b~d地点は溝谷層であると判断された。海成の様相を示すと記載された粘土層は、まったく海成の様相を示すものでなく、いずれも礫、砂、粘土の細互層で、中位段丘堆積物に比べ明らかによく締まった古い様相を示す地層であると観察された。たとえば礫層の礫には「くさり礫」が多いことなどである。そこで谷付近のb~d地点を模式として溝谷層を再定義する。とくにd地点はよく地層が観察できる崖である。 |
保存に対する脅威 | 切取り面の風化が進んでいる。 |
必要な保存対策 | 危険でない限り、法面が観察できるように崩れたものを取り去るのがよい。 |
執筆者 石田志朗
トップページ > 地形・地質・自然現象 > 地質 > 溝谷層