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分類 | 化石 |
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細分 | 珊瑚(サンゴ) |
時代区分 | 中生代三畳紀中世~新世前期 |
地域 | 京都市右京区京北細野町芦見谷 |
選定理由 | 丹波帯で貴重な三畳紀の大型化石であるが、すでに取り尽くされている。 |
分布 | 西南日本外帯の秩父累帯の三宝山地域や紀伊山地の大普賢岳地域においても見いだされており、東北日本においても同層準で報告されている。府内では本化石はこの地点のみである。 |
特徴(特異性) | 下西ほか(1996)による記載の要約は次のようである。単体と群体の2種類の珊瑚化石が認められる。単体の大きさは、直径19~23mmで、高さが約30mmである。セプタは板状で放射状に配列している。横断面の形態が六角であり、原セプタ(推定6本)がその形態を保持したものと考えられる。軸柱は認められない。サイクル数は3次あるいは4次まで認められるところもある。隔壁は1cmに9~10本である。再結晶が著しく、隔壁の詳細やサイクル数は不明だが、形態と隔壁数から判断してProcyclolites sp.と考えられる。群体珊瑚の大きさは62mm×28mmで、個体間の距離は6~16mmである。 隔壁は真っ直ぐで薄く、初源の個体における隔壁数は1cmの間に12本認められる。群体の形態や、隔壁構造の詳細、サイクル数は再結晶が著しく不明である。 六射珊瑚は枕状溶岩中の礫として、表面に30個含まれていた。枕状溶岩の内部にはまだ含まれている可能性がある。また、母岩となっている玄武岩の枕状構造は、京都市右京区京北芹生町に見られるものに匹敵する教科書的なもので三畳紀と確定しているものとして貴重である。また西南日本内帯から六射珊瑚が報告された例はなく、日本列島の形成史を構築する上で学術的に非常に重要な露頭で、早急に論文として公表する必要がある。 |
現状 | 発見とその後の調査で取り尽くされている。枕状溶岩中の礫として含まれているため、周辺の地層には認められない。 |
保存に対する脅威 | 六射珊瑚の化石そのものは取り尽くされているが、学術調査として枕状構造にボーリングの穴をあけてある部分もあり、人為的なさらなる破壊を防ぐ必要がある。 |
必要な保存対策 | 河床であるため保護は不可能であるが、立て札による注意と、採集禁止および保護を呼びかける必要がある。 |
特記事項 | 緑色岩の表面部分に見られていた六射珊瑚化石は取り尽くされた。 |
執筆者 楠利夫
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