ササ群落
分類 | ササ草原・竹林 |
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特徴 | 近畿地方では原植生がササ群落という場所はほとんどなく、もともとの森林の伐採や山火事などで原植生が失われた後に侵入し、そのまま定着したり、元の森林が失われた後、山頂などの風の影響でほかの植物が入りにくいためにササ群落が定着したりして成立し、そのまま他の植物が侵入できず、ササ群落のままであるような場所である。このようにもともとの植生ではないが、そのようなササ群落が山の景観の特長となり、継続して保全されるようになっている。ササは種類が多く、地域ごとに異なる種類が見られるが、中国地方から丹後地域ではチマキザサがササ群落を作ることが多い。 |
分布 | 我が国では多くのササ類があり、各地にそれぞれの種類が見られる。またササ群落はその地域のこれまでの人為によって成立し、山地の頂上付近や山頂に近い尾根筋などに見ることができる。府内でも幾つかの山地で見ることができるが、保全を考えるようなササ群落にはやはり何等かの意味が必要であろう。 |
保存に対する脅威 | ササ群落は、強風などの要因によって、遷移が起こらず、ササ群落のままで停止してしまっている状態である。そのため、その自然条件が続けばササ群落は継続する。したがって、基本的には、現在の状態を継続して、周辺の利用も含めて同じような状態を続けることがササ群落をそのままにしておくことの条件となる。近年、一斉開花のため、南丹地域、京都市北部でササの枯死が広がっている。通常であれば、枯死後、実生更新が起こるが、シカの食害のためにササ群落の更新はされていない。ササ群落の回復のため、シカの食害防止が必要である。 |