ミズナラ群落
分類 | 冷温帯落葉広葉樹林 |
---|---|
区分 | クリ-ミズナラ群集 |
特徴 | 本来、ミズナラはブナ群落の代償植生(二次林)あるいは大きなギャップを埋める樹種であり、ブナの伐採後や大面積での台風被害の後に成立している群落である。しかし代償植生とはいいながら安定して成立していることが多く、樹高25mを越えるような大木の群落を見ることもできる。代償植生であると同時に、ブナ群落に隣接してやや乾燥した立地を占めるような性質によると思われる。また、山地の群落であるために、人の日常的な管理を受けることが少なく、そのため、比較的安定した群落を形成していると思われる。そのため、二次林とはいいながら非常に安定した多様な種構成をもっており、自然度の高い貴重な群落と言える。しかし近年では、やはりスギやヒノキの植林に変わってきており、ミズナラの群落は少なくなっている。ミズナラだけの純群落を作る事はなく、カエデ類、シデ類、クリ、アズキナシ、ウワミズザクラなどや非常に多くの種類の落葉広葉樹が見られる。 |
分布 | ブナ帯に広く見られるが、ブナとは異なり北海道の全域でも見られる。また近畿地方以南は急速に分布域が少なくなっており、山地のみに分布する。府内ではブナ群落と共に見られ、またブナ群落の周囲の落葉広葉樹林の中で見られる。 |
保存に対する脅威 | ミズナラ群落は林としても大径木を含んだ群落であり、またその群落の数もごく少なくなっている。近縁のカシノナガキクイムシによる枯損のため、丹後地域、中丹地域、南丹地域で、大径木の多くが枯損した。京都市・乙訓地域から山城地域にまで、カシノナガキクイムシによる枯損が拡大していることから、害虫防除だけでなく、森林の適切な取り扱いを含んだ保全対策が急務となっている。 |
府内での分布と京都府カテゴリー
京都府内の分布 | 京都府カテゴリ- | ||
---|---|---|---|
丹後地域 | 太鼓山 | 与謝郡伊根町太鼓山 | 管理維持 |
上世屋小字深谷 | 宮津市字上世屋小字深谷 | 管理維持 | |
成相寺 | 宮津市字成相寺 | 管理維持 | |
中丹地域 | 鬼嶽稲荷神社 | 福知山市大江町 鬼嶽稲荷神社 | 管理維持 |
鬼が岳稲荷神社から頂上への道沿 | 福知山市大江町 大江山 | 管理維持 | |
京都市・乙訓地域 | 片波川源流域林 | 京都市右京区京北 | 管理維持 |
峰定寺 | 京都市左京区花背原地町 | 管理維持 | |
大悲山 | 京都市左京区花背大悲山 | 管理維持 | |
石仏峠から祖父谷峠への途中 | 京都市右京区京北井戸町妹路谷 | 管理維持 | |
八丁平湿原周辺 | 京都市左京区久多八丁平 | 要保全対策 | |
別所町 | 京都市西京区別所町 | 管理維持 | |
井戸妹路谷 | 京都市右京区京北井戸町妹路谷 | 管理維持 |