地域生態系
シリブカガシ群落
分類 | 暖温帯常緑広葉樹林 |
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特徴 | シリブカガシは、カシ類ではなく、マテバシイとともにブナ科マテバシイ属に属する常緑広葉樹である。ブナ科のなかまでは特異的に秋に開花し、翌年の秋まで1年経過して堅果(ドングリ)が熟する。堅果は渋みがなく食用になる。生育立地は様々で、平地から斜面まで広く生育しているが、近畿では、まとまった純林に近い群落で認められるが、常緑広葉鵜樹林中に構成種として混生する例は少ない。 |
分布 | 近畿地方以西の四国、九州、南西諸島に分布する。京都府の保津峡の群落は北限にあたる。京都府下では、この保津峡の群落と、木津川市の弊羅坂神社境内林に純林が見られる。また、天然か植栽か不明であるが、下鴨神社境内にも分布している。 |
保存に対する脅威 | 上記のように、シリブカガシの群落は、京都府下では2カ所である。保津峡では南西の急傾斜地に認められている。また、木津川市の弊羅坂神社境内林では、小高い丘陵のほとんど傾斜のない立地に、ヒノキを交えてはいるが、ほぼ純林状の群落を形成している。後者では、林床に、シリブカガシの実生や若木も認められるが、シリブカガシ林の詳しい生態は未解明であるため、林分構造、更新動態など総合的な研究に基づいた、保全対策が望まれる。 |
府内での分布と京都府カテゴリー
京都府内の分布 | 京都府カテゴリ- | ||
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京都市・乙訓地域 | 保津峡南西面斜面 | 京都市右京区保津峡 | 要保全対策 |
山城地域 | 幣羅坂神社 | 木津川市市坂幣羅坂 | 要保全対策 |