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新生腹足目 エゾマメタニシ科
マメタニシ
京都府カテゴリー | 絶滅寸前種 |
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2002年版 | 絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | 絶滅危惧Ⅱ類(VU) |
選定理由 | 府内の生息地が限られ、個体数も減少している。 |
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形態 | 成貝は殻長13mm、殻径7mmほどの小型巻貝で、螺塔は高い。螺層は膨らまず縫合は浅い。太いレール状の螺肋があり、体層には7本前後が認められる。殻は淡黄褐色で、鈍い光沢があるが、二次的な付着物に覆われて黒褐色になっていることが多い。近畿西部や四国には、殻表面の螺肋がないか、極めて弱い型が分布する。 ◎近似種との区別 ヒメマルマメタニシとイナバマメタニシは螺層が膨らみ縫合は深く、螺肋がない。 |
分布 | 本州と四国に分布し、別亜種が朝鮮半島、中国北部、シベリアに分布する。府内では巨椋池、深泥池と亀岡市で記録がある。 ◎府内の分布区域 淀川水系。 ◎近似種との比較 ヒメマルマメタニシは岐阜県以西の本州、四国、九州に分布し、亀岡市では本種と混生している。イナバマメタニシは淡路島を除く兵庫県南部と岡山県東部に限って分布する。 |
生態的特性 | 流れのほとんどない、湧水のある水域の水草や礫に生息する。産卵期は春から夏で、透明な寒天質の膜で覆われた細長く扁平な卵塊を基質に産みつける。1卵塊には30~60卵が含まれる。孵化後数か月で成貝となる。 |
生息地の現状 | 巨椋池では干拓で絶滅し、深泥池では水質汚濁のため過去20年ほど生息が確認されていない。亀岡市の生息地でも個体数は多くない。 |
生存に対する脅威 | 池沼や河川の改修による生息場所の破壊と水質汚濁による環境の悪化。 |
必要な保全対策 | 小型で目立たない種であるため、本種が生息している可能性のある場所を開発する際には、注意深い調査が必要である。 |
改訂の理由 | 生息地が減少している。 |
その他 | 日本固有亜種 |
文献 黒田(1962)、環境省(2002)、紀平ほか(2003)、増田、内山(2004)
執筆者 近藤高貴