選定理由 | 京都府をタイプ産地とする種で、他の産地は東京都のみであり、分布地が限定されているため。 |
---|---|
形態 | 体長メス、オス2.8mm前後。頭胸部は黄褐色。歩脚は基部は黄褐色で、先端部は暗褐色。腹部背面は灰褐色で、数個の山型斑がある。腹部側面と下面は黒褐色。 |
分布 | 1958年に京都府南丹市美山町の京都大学芦生研究林で採集され、1960年に記載されたものである。東京では1967年に養沢でメス1匹が採集されているが分布地は局限されている。 |
生態的特性 | 詳しい生態は不明だが、同属の他種と同様に、地面近くの下草の間、石や倒木の下のすきまなどに皿網(シート網)を張るものと思われる。 |
生息地の現状 | 府内での唯一の産地である南丹市美山町の芦生研究林は、人為的な改変がほとんど行われていない、自然環境がよく保全されている場所である。 |
生存に対する脅威 | 自然環境がよく保存された府内北部の山間部が減少するようなことがあれば、それに伴って生息域が縮小してしまう可能性がある。 |
必要な保全対策 | 府内北部地域の自然環境の保全が必要。 |
その他 | 日本固有種 |
文献 Oi(1960)、小野(2009)、新海栄一(1969)
執筆者 吉田真、加村隆英