選定理由 | 国内の採集記録は、京都府と佐賀県のみで、分布地が限られているため。 |
---|---|
形態 | 体長メス5mm、オス3.6~4.5mm。頭胸部と歩脚は黄褐色、腹部は灰褐色で、不明瞭な暗色の葉状斑がある。 |
分布 | 中国で1992年に記載された種で、江西省と湖北省で記録がある。日本では、1975~76年の冬に京都府京丹後市久美浜町で京都林試の職員によってオス1匹が、1978年に佐賀県でオス1匹が採集されている。国内ではメスは確認されていない。 |
生態的特性 | 詳しい生態は不明だが、同属の他種と同様に、崖地、石垣のすき間、樹皮下、あるいは樹木の枝先に、不規則網を張るものと思われる。 |
生息地の現状 | 本種は、同属別種のヤマトコノハグモやカレハヒメグモに誤同定されてきた可能性もあるので、正確な生息地の情報については、今後、注意していく必要がある。 |
生存に対する脅威 | 多くのクモ類と同様、環境悪化に伴う造網足場の減少や餌資源の減少は、生存に悪影響を与えるであろう。 |
必要な保全対策 | クモにとっての造網足場や餌資源の減少をもたらす可能性がある環境の改変を少なくすることが求められる。 |
文献 小野(2009)、Yoshida(2001)、吉田哉(2003)
執筆者 吉田真、加村隆英