クモ目 ナミハグモ科
ミズグモ
京都府カテゴリー | 絶滅危惧種 |
---|---|
2002年版 | 絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | 絶滅危惧Ⅱ類(VU) |
選定理由 | 旧北区に広く分布するが、生息密度が低く、日本でも生息地が非常に少ないため。 |
---|---|
形態 | 体長メス8~15mm、オス9~12mm。全体に褐色で、腹部と歩脚に長毛が密生する。 |
分布 | ヨーロッパ北部から日本にかけて広く分布する。日本では北海道(釧路市など数か所)、本州(青森県、京都府)、九州(大分県、鹿児島県)で採集されている。 ◎府内の分布区域 府内の分布地は深泥池(京都市)のみ。 |
生態的特性 | 本種は、水中で生活する唯一のクモで、水草に糸を張り渡して、水面から運んだ空気をその下に蓄え、ドーム型の住居をつくる。深泥池のミズグモは三つのサイズグループに分かれており、足かけ3年で成体になると思われる。 |
生息地の現状 | 各地の生息地の情報を総合すると、泥炭が堆積しミズゴケが繁茂するなどの特徴を持つ貧栄養的な湖沼が、基本的な生息地と思われる。北海道では数か所の標高の低い沼沢地に生息しているが、埋立てや水質悪化のために、本種の生息地は急激に減少している。津軽半島でも池の水質悪化のため、生息密度はかなり減少している。大分県と鹿児島県の池で発見されたが、その後の調査では生息は確認されていない。 |
生存に対する脅威 | 深泥池ではおもに池中央の浮島から発見されている。深泥池は池全体が天然記念物となっているが、釣り人の撒き餌などによって富栄養化が進み、外来動植物が侵入するなど、生態系の変質が危惧される。 |
必要な保全対策 | 府内で唯一の生息場所である深泥池において、釣り禁止措置の徹底や外来生物の除去など、継続的な管理が必要。 |