苔類 ツボミゴケ目 キリシマゴケ科
キリシマゴケ
京都府カテゴリー | 絶滅危惧種 |
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2002年版 | 絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
選定理由 | 府内では北部の山地に4か所の産地が知られているだけで、生育状態も貧弱である。 |
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形態 | 植物体は光沢のある黄褐色から緑褐色で、茎は斜上し、大きいものでは10cm近くになるものもあり、一見蘚類のように見える。葉と腹葉はほとんど同型同大で、茎に横に付き、斜めに開出し、深く4分の3まで二裂し、裂片は狭三角形で、先は細く尖る。 ◎近似種との区別 日本産の同属のもう一つの種であるサクライキリシマゴケは形態的には本種と非常によく似ているが、亜高山帯より上にしか分布せず、京都府からの報告はない。 |
分布 | 北海道、本州、四国、九州、北半球。北半球の温帯に広く分布し、日本でも北海道から九州までの山地に広く分布し、湿度の高い場所の岩上や樹幹上ではかなり大きな群落をつくることもある。 ◎府内の分布区域 京都市右京区廃村八丁、南丹市美山町音谷の滝、京都大学芦生研究林、京都市大悲山。 |
生態的特性 | 渓流沿いの湿度の高いところ、雲霧のよくかかる山地の稜線上の岩上や樹幹上に生育。 |
生育地の現状 | 京都大学芦生研究林では、岩上に他のコケ類に混ざって小さなコロニーを形成しているのを確認した。 |
必要な保全対策 | 生育地周辺の開発に際しては、生育地が乾燥しないように配慮する必要がある。 |
文献 岩月(編)(2001)、児玉(1971)、岩月、水谷(1972)
執筆者 長谷川二郎