選定理由 | 本種は、京都府ではこれまでただ1か所だけから知られている。天然記念物である深泥池湿原の主要構成要素である。 |
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形態 | やや変異の大きい種。茎葉は舌状三角形で先端はやや鋭頭で鋸歯を持つ。枝葉は長卵形。 ◎近似種との区別 同じ深泥池に生育するオオミズゴケは、ずっと大型で、茎表皮細胞には多数の肥厚線が見られる。 |
分布 | 北海道、本州、四国、九州、北半球に広く分布。 ◎府内の分布区域 京都市北区深泥池。 ◎近似種との比較 ハリミズゴケ節には日本から10種が知られており、その多くは中部日本以北の高層湿原等に生育する。 |
生態的特性 | 中間~高層湿原の水辺に生育。 |
生育地の現状 | 深泥池では、浮島のシュレンケ部を構成する大切な要素であり、現状でも多数の生育を確認することができる。 |
必要な保全対策 | 流入する水の水質悪化、富栄養化。今後とも注意深く見守る必要がある。 |
文献 岩月(編)(2001)
執筆者 秋山弘之