鞘翅(コウチュウ)目 コメツキムシ科
コガネコメツキ
京都府カテゴリー | 絶滅種 |
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2002年版 | 要注目種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
選定理由 | 分布上注目される。京都市貴船渓谷で1頭のオスの採集例があるが、それ以外は中部山岳地以北の記録のみで、府内で再報の可能性は少ない。 |
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形態 | 体長は12.5~18.0mm。幅広の長楕円状、ほぼ平行状で強固、多少上下に圧平される。黒色で強い光沢をもち、上翅では金緑色の光沢が著しいが、個体によっては青緑又は紫黒色のものもある。肢部は通常黒色で部分的に赤褐色のものもある。日本産の他2種の内ミヤジマコガネコメツキS. miyajimanus(Ohira)は前胸背板の点刻がきわめて小型疎で、一般に本州の低山地のアカマツ林で見られ、アラコガネコメツキS. gloriosus(Kishii)は東北地方、北海道などの森林帯より高い高山岩石地帯に見られ、上翅に明瞭な凹凸の段刻構造がある。 |
分布 | 本州の中部地方山岳地域以北から北海道に分布し、サハリン、朝鮮半島からも記録されている。一般的には富山・長野・山梨県辺りが分布西限と見られている。 ◎府内の記録 京都市左京区貴船[1♂, 1. ⅷ. 1963, J. Kawai leg. ]が最初でかつ最後の標本となった。 |
生態的特性 | 幼虫は草原の土壌中に生息し、植物の根系を食するが不明の点も多い。 |
生息地の現状 | 京都市貴船・鞍馬近辺は四季を通じて人出が多く、自然環境維持の困難な地域で、環境悪化は進んでいる。 |
改訂の理由 | 顕著な種にもかかわらず再記録されず、50年を経たので絶滅したものと判断した。 |
文献 Kishii(1966a、1999)、Motschulsky(1866)、Tarnawski(1995)
執筆者 岸井尚(加筆修正:水野弘造)