蜻蛉(トンボ)目 アオイトトンボ科
オツネントンボ
京都府カテゴリー | 準絶滅危惧種 |
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2002年版 | 準絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
選定理由 | 府内では産地が少なく、生息地も狭いため。 |
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形態 | 腹長26.0~31.0mm、後翅長21.0~24.0mm。淡褐色に淡銅色斑がある。成熟すると複眼上部が少し青くなる。 ◎近似種との区別 未熟な個体は一見ホソミオツネントンボと似ているが、斑紋などが異なる。また、ホソミオツネントンボは成熟すると体色が青色に変化する。 |
分布 | 北海道、本州、四国、九州、奥尻島、佐渡島、淡路島、対馬、五島列島などに分布するが、西日本では分布が局地的になる。 ◎府内の分布区域 中部地域(亀岡市)と南部地域(京田辺市、宇治田原町)から記録があるが、現在も、生息が確認されているのは南部地域の2か所だけである。 ◎近似種との比較 ホソミオツネントンボは府内全域に分布し、普通に見られる |
生態的特性 | 平地や丘陵地のアシなど抽水植物の生えた池沼に生息する。7~8月から新成虫が見られるが、未成熟成虫のまま越冬する。越冬後の成虫は発生地の池沼に飛来して、交尾、産卵する。 |
生息地の現状 | 限られたため池のみで生息が確認されており、非常に狭い範囲で発生している。 |
生存に対する脅威 | 開発や道路拡張工事などにより、産地が消滅することが心配される。 |
必要な保全対策 | 生息地と周辺の環境を保全するとともに、新産地発見の調査を要する。 |
文献 石田ほか(1988)、関西トンボ談話会(1984)、杉村ほか(1999)
執筆者 藤井恒