膜翅(ハチ)目 ハバチ科
イトウハバチ
京都府カテゴリー | 絶滅危惧種 |
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2002年版 | 絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | 準絶滅危惧(NT) |
選定理由 | 環境省のレッドリストでも希少種扱いされているように、これまで日本の10数か所から記録されている稀な種であり、個体数も少ない。京都府からはこれまで、京都市大原からメス1頭が記録されているのみである。 |
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形態 | 体長はメスで15.0mm、オスで13.0mm。ハバチ科では最大級で、体も太く、触角は亜棍棒状、色彩は黒色と茶色のまだらで、一見コンボウハバチ科のナシアシブトハバチに似る。 ◎近似種との区別 本属は日本には本種だけが分布する。 |
分布 | 日本固有種であり、九州、四国、本州中西部の低山地に局所的に分布する。 ◎府内の分布区域 南部地域(京都市・乙訓地域)。 |
生態的特性 | 年1化で、サルナシActinidia argutaを寄主植物とする。メス成虫は数十卵を列状に葉内に産み込む。弱齢幼虫は集合して葉を摂食するが、終齢幼虫は単独で摂食し、老熟すると地中に潜り、土窩を作り、越冬する。 |
生息地の現状 | 西日本に広く分布するが、採集地点は比較的自然度の高い低山地に限られている。かつて九州の英彦山で個体数の多い時期があったものの、現在は全国的に採集例は稀であり、保護の必要性が高い。 |
生存に対する脅威 | 寄主植物のサルナシは日本各地に分布し、稀な植物ではないが、イトウハバチの分布が局地的であり、本種の環境要求が狭いことが考えられ、人為的な環境変化が生存に対する脅威となる可能性が高い。 |
その他 | 日本固有種 |