担子菌門 スッポンタケ目 スッポンタケ科
イカタケ
京都府カテゴリー | 絶滅寸前種 |
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2002年版 | 絶滅寸前種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
選定理由 | 発生時には群生するが、変動しやすい生息環境に依存するため、継続して発生する産地がないことから指定した。 |
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形態 | 菌蕾は白色、球形から類球形で径10~15mm。成熟すると頂部が裂開して子実体が伸長する。子実体の柄部は白色、中空、径1.5~2.0cm。柄の頂部は杯状となり、その周縁から白色長円錐状の腕部が8~15本、水平放射状に広がる。腕は中空で先は細まる。杯状の頂部には黒褐色の粘液状基本体があり、悪臭を放つ。 |
分布 | ほぼ全国に及ぶが南西日本に多い。中国大陸、台湾、東南アジア、オセアニア、インド、南アメリカ、ニューカレドニアなどで、主に熱帯に分布。 ◎府内の分布区域 日本新薬株式会社山科植物資料館(京都市山科区)、京都府立大学農場(左京区)等。 |
生態的特性 | 腐生菌で地中または有機物(籾殻、わら、木屑、堆肥など)中に埋生するマット状の厚い白色菌糸体をつくる。多くは田畑に放置した1~2年目の籾殻や木材チップから。初夏と秋の2回発生する。 |
生育地の現状・脅威 | 農村での堆肥などの発生地は開発により激減した。一方、ウッドチップなどを撒いた公園などの環境にいきなり発生する例もある。 |
改訂の理由 | 極めて目立つキノコだが、報告例が少ないことから、稀産であると判断した。 |
文献 今関、本郷(1989)、青木(2008)、池田(2013)
執筆者 吉見昭一(原文)、佐久間大輔(改変)