種子植物 キョウチクトウ科
タチカモメヅル
京都府カテゴリー | 準絶滅危惧種 新規 |
---|---|
2002年版 | リスト外 |
環境省カテゴリー | なし |
近畿レッドデータブックカテゴリー | 絶滅危惧種C |
選定理由 | 府内の分布は広いが自生地はもともと少なく、近年では見ることもまれになっている。 |
---|---|
形態 | 湿った草地や湿地などにはえる多年草。茎は下部が直立して、先はやや蔓状になって長さ40~100(~250)cm、わずかに曲がった毛がある。葉は対生し、葉柄は短く2~5mm、葉身は長楕円状披針形で尖り、長さ3~11cm、幅1~4cm、やや厚く、基部は円形または多少心形となる。花は上部の葉腋に集まって付き、総花柄はないかごく短く、花冠は暗紫色で径9mm内外。萼裂片は長さ約2mmで少し毛があり、花冠は無毛。袋果は披針形で毛がなく、長さ4~5cm、幅5~7mm。 ◎参照 日本の野生植物 草本Ⅲ(平凡社)42、原色日本植物図鑑 草本編Ⅰ(保育社)208 |
分布 | 本州(近畿以西)、四国、九州、朝鮮半島。 ◎府内の分布記録区域 丹後地域を除く全域。 |
生存に対する脅威 | 湿地の遷移、除草剤の使用。 |
必要な保全対策 | 日当たりのよい場所を好み、生育地である湿地の遷移が進むと高茎草や樹木が茂って、本種に光りが当たりにくくなる。除伐して有機物を持ち出すなどの方法で、湿地の遷移を防ぐことが重要である。 |
改訂の理由 | 「選定理由」および「生存に対する脅威」に同じ。 |
特記事項 | よく似たコバノカモメヅルの花序には総花柄が明瞭。タチカモメヅルは安定した湿地のものであり、コバノカモメヅルは撹乱型湿地のものである。 |
執筆者 松岡成久、光田重幸