タマコウガイゼキショウ〈リスト外追加種〉

Juncus diastrophanthus Buchenau var. togakushiensis (H. Lev.) Murata

選定理由	近畿ではきわめてまれなもので、2002年版レッドデータブック発行後に山間の自然湿地で発見された。個体数は10以下で、遷移により消滅寸前である。
形態	湿地や溜池畔にはえる多年草。根際より多数の扁平で多管質の葉を叢生する。花茎は多管質、2稜あり両側に翼が発達し、斜上する。高さ15～25cm。葉は剣状線形で多管質、幅約5mm。花は球形の花序をつくり、その花序が全体で3～5個集散状に付く。最下の苞葉は集散花序全体と同長か、やや短い。頭花は多数の小花をひしめきあうようにして付ける。小花には6枚の花被片があり、内花被片と外花被片は同長で約4mm、線状披針形で、先端は鋭頭。 ◎参照　日本の野生植物草本Ⅰ（平凡社）71、原色日本植物図鑑草本編Ⅲ（保育社）166
分布	北海道、本州（近畿以北）。 ◎府内の分布記録区域　山城地域南部。
生存に対する脅威	湿地の遷移、湿地開発。
必要な保全対策	自然度の高い湿地を改変しない。遷移の抑制。
改訂の理由	府内新産による。
その他	日本固有変種

執筆者　松岡成久、光田重幸

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