種子植物 イネ科
ヒメアブラススキ
京都府カテゴリー | 絶滅危惧種 |
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2002年版 | 絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
近畿レッドデータブックカテゴリー | なし |
選定理由 | 群生するが産地がきわめて限定される。村田源著『近畿地方植物誌』39(1998)47頁に精華町とあるのが過去の唯一の文献記録である。大本花明山植物園には舞鶴市産の標本(1999年採集)が保管されている。従って、京都府内では丹後地域と山城地域が産地として今のところ知られているだけである。 |
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形態 | 山野の草地にはえる多年草。しばしば群生する。稈は細く高さ50~100cm、下方で分枝し節には開出軟毛が多い。葉鞘は無毛ときに有毛。円錐花序は長さ7~15cm、枝は半輪生、少数の小穂を付ける。小穂は有柄と無柄のものが対となり無柄の小穂には長芒がある。芒は長さ20mmに達し屈曲。小穂は長さ3mmほど。有柄小穂の柄には1列に並んだ長毛がある。日本産の本属にはヒメアブラススキ1種がありほかに似たものはない。 ◎参照 日本の野生植物 草本Ⅰ(平凡社)92、原色日本植物図鑑 草本編Ⅲ(保育社)382、日本イネ科植物図譜(平凡社)710-711 |
分布 | 本州(関東以西)、四国、九州、沖縄県、朝鮮半島南部、中国大陸、台湾、インド、マレーシア、オーストラリア。世界の暖帯に広く分布。 ◎府内の分布記録区域 丹後地域、山城地域(相楽地区)。 |
生存に対する脅威 | 草地開発。林道や一般道路の拡幅および新設。 |
必要な保全対策 | 本種は群生すれば目立つものの、稀少種と気づかぬまま諸開発の犠牲となりやすい。諸開発に先立つ詳細な生物調査が必要である。 |
執筆者 津軽俊介