種子植物 サトイモ科
アオテンナンショウ
京都府カテゴリー | 絶滅寸前種 |
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2002年版 | 絶滅寸前種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
近畿レッドデータブックカテゴリー | なし |
選定理由 | 京都府内では唯一、「鷲峰山」との記録(竹内 1962)があるのみで、近年の確認情報はない。 |
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形態 | 山地林下にはえる多年草。偽茎は長さ18~40cm。全体が緑色。葉は普通2個。小葉は鳥趾状に7~11個、楕円形から長楕円形、縁にはしばしば鋸歯があり、先は普通糸状。仏炎苞は緑色、口辺部は外曲。舷部は卵形で先がしだいに糸状となり長く垂れ下り全長30cm、下部は筒状。花序の附属体は太い棒状、先は丸く径6~10mm。仏炎苞の先が糸状に伸びる点でムロウマムシグサ(キシダマムシグサ)に似るが、アオテンナンショウは小葉の数が多いこと、仏炎苞が紫褐色を帯びないことなどで区別できる。 ◎参照 日本の野生植物 草本Ⅰ(平凡社)135、原色日本植物図鑑 草本編Ⅲ(保育社)204 |
分布 | 本州(岡山県)、瀬戸内(淡路島、厳島、周防大島)、四国、九州(まれ)。(大橋 1983)。 ◎府内の分布記録区域 山城地域(上記)。 |
生存に対する脅威 | 林道や登山道の新設および拡幅。山地の管理放棄も絶滅への要因と考えられる。 |
必要な保全対策 | 一般には同属のものとの区別が難しく、稀少種と気づかぬまま諸工事の犠牲となりやすい。林道の新設や拡幅に先立つ詳細な生物調査が必要である。 |
特記事項 | 分布上かなり異常であり、キシダマムシグサの誤認であった可能性が高い。 |
執筆者 津軽俊介、光田重幸